グローバル化が進む医療の現状や今後の課題

日本では様々な分野でのグローバル化が進んできましたが、実は医療分野においてはかなり遅れを取っていました。
その背景として、免許制度や保険制度、言語等における海外との進歩の差が関係していると考えられています。しかし、近年のインターネットの発達や海外への移動手段の拡大化により、ここ数年で日本の医療のグローバル化は加速しています。

特にに国立大学の付属病院でグローバル化は重要視されており、大学ごとにそれぞれ特色のある取り組みを進めています。

例えば、北海道大学病院では、外国人医師に向けた研修プログラムを提供しています。日本と異なり海外の医師免許は数年置きに更新の必要がある場合が多いため、その更新用の研修の一貫として北海道大学病院で教育プログラムを実施しているというケースなどがあります。現状東南アジアの医師たちに関してはそのような研修は、欧米の病院で行われている場合が多いのですが、渡航費が嵩みます。その点日本であれば、欧米に向かうよりも渡航費が抑えられるため、需要が高いのです。

ただ、このようなグローバル化に向けた取り組みの問題点は、国ごとに異なるニーズにどう応えていくかということです。国によって求められる研修内容が異なるので、それぞれに合わせて英語で講演や質疑応答ができる医師の選定が必要です。しかし、少子高齢化による医師不足で、そこまで手が回らないというのもまた悲しい現状なのです。医療のグローバル化を目指すためには、国際的に活躍できる医療人材の確保が急務となっています。